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文学座『風のつめたき櫻かな』

観劇日時 2008年5月26日19:00~21:00

紀伊國屋サザンシアターで、文学座『風のつめたき櫻かな--久保田万太郎作品集より--』を、紀伊國屋書店のクレジットカードの招待にて観劇。平田オリザ作、戌井市郎演出。あんまり情報を入れずに観て、設定に驚いた。これから観る人には、ちらしで坂口芳貞さんを確認しておくとおもしろさが増すかも。

久保田万太郎作品で、観たことがあるのは『釣堀にて』のみ(深津篤史さんの演出で、2005年、大阪にて)。どこがどう久保田作品を元にしているのか全くわからなかった(『文学座通信』で、ベースになっている作品名を知ったが自分は知らない)。正直、青年団のファンであれば平田オリザ作品として楽しめる作品だと思った。文学座の俳優さんたちが、オリザさんの言葉をこちらに違和感を感じさせることなくしゃべっていた。

「現代口語演劇」がらみで、人は、セミパブリックな場所で、感情をどれほど出すものだろうか、という話になったことがある。今回の作品のような設定(ちらしに書いてあるけどcoldsweats01)ではその点にも無理を感じなかった。あの設定を与えたことで、久保田万太郎が描いた人々が無理なく現代に下りてきて、当時の視点から現代を批判的に描き出した作品と考えるのも楽しい感じ。

以下自己責任でどうぞ。

近未来、震災に見舞われた東京の、古い人情が残っている商店街でいちはやく営業を始めた喫茶店が舞台。(ベースになっている作品は『銀座復興』らしい。)

四川大地震が起こって、毎日その映像を見ているせいか、なんだか生々しい。戯曲は、地震によってこわれようとしている地域社会や、社会に「余剰」が生じる以前の、物々交換にもとづく共同体社会について、言及する。しかし地域社会の喪失や、余剰の蓄積による格差は、地震とは関係なく現に起こっているもの。年輩の俳優さんたちが舞台に作り出す人間関係は、どこか懐かしいけれど、現代を映す鏡になっているように思われた。

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