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2009年1月

オリガト・プラスティコ『しとやかな獣(けだもの)』

観劇日時 2009年1月30日19:00~20:45

オリガト・プラスティコ『しとやかな獣(けだもの)』を、紀伊國屋ホールにて観劇(主催・製作の森崎事務所のサイトはこちら)。ホールの親会社のカードの招待にて観劇。うっすいません。浅野和之様の主演舞台なのに。

オリガト・プラスティコは広岡由里子さんとケラリーノ・サンドロヴィッチさんのユニット。この作品は、もともとは、1962年のお正月映画で、脚本は新藤兼人さんのもの。演出はケラさん。

シニカル感いっぱいの作品。これを今やる理由もわかった(と思う)。おもしろかった。けど、「すごーくおもしろかった!」という昂揚感までは得られず。ケラさん自身「小品」とブログに書いてはるしなあ。結末が早くわかりすぎたか?>自分。

すほうれいこさん、セクシー。緒川たまきさん、きれい。近藤公園さん、よくからだの動く人だったなあと思い出した。浅野和之様は相変わらず器用なところを発揮されていたけど、もうちょっと明治生まれ(?)の家長っぽさ、重さがあってもいいような気が。

演出は、印象的なところもあったし、そこまでせんでもと思えるところもあった。あのカーテンは、正直、あまり美しくなかった。それがらみの演出はおもしろかったけど。俳優さんの佇まいが、ところどころ、昭和の人に見えず(汗)。ダンスはすてきだった。

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2009年2月に観れたらいいなあと思っているもの。

括弧内私的ポイント。遠征二回ある(片方は観劇遠征じゃないですけど)。時間とお金をやりくりしつつ。「デフォルト」はいつもここは観に行くことにしている、という意味で使ってます。

  • メジャーリーグ『ちっちゃなエイヨルフ』@あうるすぽっと(勝村政信出演、タニノクロウ演出)
  • 桃園会『電波猿の夜』@ザ・スズナリ(デフォルト)
  • MONO『床下のほら吹き男』@吉祥寺シアター(デフォルト)
  • 五反田団『僕の宇宙船、』@三鷹市芸術文化センター星のホール(デフォルト)
  • 富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ企画・製作『グランド・フィナーレ』@キラリ☆ふじみ(ドラえもんのドアがほしい)
  • 串田和美プロデュース2009『ピランデッロのヘンリー四世』@シアタートラム(串田×白井のこのシリーズが好き)
  • シス・カンパニー『夜の来訪者』@紀伊國屋ホール(段田安則演出は私的にはみちすーだけど、出演者が魅力的)
  • 華のん企画『ワーニャ伯父さん』@あうるすぽっと(山崎清介演出、木場勝己・小須田康人出演)
  • (財)吹田市文化振興事業団『三人姉妹』@メイシアター小ホール(深津篤史演出、生田朗子出演)
  • フェスティバル/トーキョー『カール・マルクス:資本論、第一巻』@にしすがも創造舎(タイトル買い)
  • フェスティバル/トーキョー『オセロー』@東京芸術劇場中ホール(ク・ナウカメンバー参加)

あと、藤沢で岩下徹さんのワークショップにも参加します。

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自転車キンクリートSTORE『29時』

観劇日時 2009年1月29日19:00~21:10

なくなるのが寂しい(あと一回は抽選がんばりたい)THEATER/TOPSで自転車キンクリートSTORE『29時』観劇。

二日前にtoiで味わったトリップ感から一気に現実の世界へ(笑)。歌川椎子さん演じる主人公が置かれている状況が、他人事とは思えず。というか、はっきり言って、他人事ではない(笑)。しかしお芝居は雑誌『AERA』の世界をこえて(笑)おもしろく、普遍性があった(と思う)。

仲むつまじく街を歩いているカップルを一度でもな_りたくなったことのあるすべての人におすすめ。(笑)

「赤シャツ」横堀悦夫さんが、今回は「こんなヤツ」で全く別の顔を見せてくれます。櫻井智也さんも好演。主宰されているMCRの演劇がどんな感じか妄想してしまった(笑)。塩田貞治さん、ナイスキャスティング。

芝居の内容とはうらはらに、現場はかなり楽しかったに違いない。

あと、ちとネタバレですが、

友達関係から一歩踏み出したい男性がいるジョシは、その人を誘って見るとよいかも。

以下自己責任でどうぞ。

40代半ば恋人なし独身ジョシ(歌川)が、片思いの相手の結婚式の前夜に自室で結婚式で披露するアニメを作る話。部屋に集まっているのは、隣の芸能人を撮影するため窓を借りに来たパパラッチ(横堀)とアニメ製作の助手2人(櫻井・塩田)。パパラッチ氏は、よくいるんだけど、おばさん化してるおやじ。櫻井さんが演じる茶川は「結婚幸せ家族のパパ」。塩田さん演じる百瀬は何にも夢中になれないワカモノ。

ワカモノについてはよくわからないのだが、「おばさんおじさん」と、独身者から見た「結婚」が持ついやみ、さらに「さまざまな恋愛」に言及して、痛快。

主人公と境遇が似ているので自分のことを振り返らずにいられなかったのだが、わたしは基本的に自分を肯定していてこれでいいと思っているので……と書くと「逃げてる!」と登場人物の誰かから言われそう。しかし当たってくだけだことは何回もあるし(大汗)。

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toi『四色の色鉛筆があれば』

観劇日時 2009年1月27日19:35~21:05

toi『四色の色鉛筆があれば』Theatre Tram Next Generation vol. 1 の二本目の作品。前売完売。今日当日券狙って来た知人のキャンセル待ち番号が十番台前半だったのですが、立ち見で入れてました。

去年の『あゆみ』はマイ年間ベストテンに入る作品でした(2回見たし^^;)。今回の作品もあれやこれやとおもしろかったです。刹那の記憶を、その時の気持ちをさぐりあてようとするような感じ?

以下、上演順に。

『あゆみ』--思春期の短い時間軸をまわる波形が、心の中でどんどん大きく大きくなって行く感じだった。一生版『あゆみ』とは別の味わいだった。

『ハイパーリンくん』--タイトルからするに、ポータルサイトから、クリックしてクリックして、あちこち行って、ときどきポータルに戻って、またクルージングにでかけて、クルージングの範囲もどんどん広がっていって、その一方で、知識が人から人へ受け継がれていく、間違った知識を持っていたことを人が悟っていく、そんな風に見えた。

『反復かつ連続』--シベリア少女鉄道『耳をすませば』連想(汗)。いや、全然違うんですけど。最後のひねり最高。

『純粋記憶再生装置』--タイトルからするに、「あの頃」のことを、頭の中で、当てレコしたり、言葉を入れ替えたり、画像を平行移動させたりしながら、何度も繰り返し、思い出している?

以下、トークの内容。聞き覚えですので正確でない部分があります。あしからず。

黒川深雪さん(主宰)

  • 最初はゆるい感じで始めた。主宰になれば毎回出してもらえると思った。柴さんの作品を名古屋で(?)で観て一緒に舞台を作りたいと思った。
  • キャストは、旧作(『あゆみ』と『反復かつ連続』)は柴さんが、新作(『ハイパーリンくん』と『純粋記憶再生装置』)は、女の子はだいたい自分が声をかけて、男性は、やさしい人を、柴さんが選んでくれた。
  • 『あゆみ』は、「出口」から別の人が出ていく時に「入口」から同じ人に見えるように自然に入っていくことで、混乱なくその人に入っていける。

柴幸男さん(作・演出)

  • 四人兄弟の末っ子長男26歳。一人称で書こうとすると女性になってしまう。
  • 本番までに、俳優の一人は必ず、目を合わせてくれなくなるか体調不良になってしまう。
  • 将来は「劇作家で」(戯曲で)やっていきたいというのが希望。
  • 出身は愛知、大学から東京。学生時代から演劇をやっていた。この劇団は今はちりぢり。いったん演劇をあきらめて就職したが半年でやめた。主宰の黒川さんから声をかけられて、作品を提供・演出した。
  • 演劇は、三谷幸喜さんのお芝居を目指してやっていたが、ストーリーを考えるだけでつかれきってしまい、ストーリーのない、細部を分解する演劇にシフトしてきた。数学的とよく言われるが自分にとって数学はあこがれで、特に勉強したわけではない。
  • 『あゆみ』は今回の短編版がオリジナル。
  • 今回の台本は、稽古の一カ月間をかけて仕上げていった。
  • ラップのサンプリングが好き。最初の発想は他の、音楽や小説からもらってきて、それを「サンプリング」して舞台にあげている。

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桜美林大学OPAP『トップガールズ』

観劇日時 2009年1月25日16:00~18:30

三軒茶屋から淵野辺にいそいで移動、プルヌスホールにて、桜美林大学パフォーミングアーツプログラム(OPAP) vol. 34『トップガールズ』観劇。大好きなキャリル・チャーチルの作品で、この作品を観るのは2回目。演出は文学座の高瀬久男さん、翻訳は安達紫帆さん。プルヌスホールでの公演は1月29日まで。フェスティバル/トーキョー09に参加していて3/24・3/25に東京芸術劇場小ホールで公演あり。

序盤のコスプレ(?)場面では、どうしても見た目が若いというか、酸いも甘いも噛み分けてきた感じがしないのだが(他人の話を聞いていない感じはよく出ていた)、時を下ってそのあとはリアルになって、みなさんちゃんと登場人物の年齢に見え、驚いた。

この作品を初めて観たのは10年ちょい前、かな。その時より楽しめた。主人公マーリーンについて、ついこの間まで、わたしたちも、あんな感じだったよね、と思った。10年前より日本があの作品に描かれている内容に似てきたのかもしれない。今思うのは、お金を稼げるのがそんなにえらいのか、ということ。

装置、すごい。消えもの、いっぱい。

以下自己責任でどうぞ。

1980年代のロンドン。人材紹介会社に勤めるキャリア志向のマーリーンは、男性の同僚に入れ替わって役員に昇進。それを祝って過去の「トップガールズ」をさまざまな時代と国から呼び集めてディナーを催すが、この人たちは自分のことを話すばかりで、他人の話を全然聴かない。

舞台変わってマーリーンの職場。次々訪ねてくる求職者と面接をする社員。面接する側、タカピー。思わずこの間まで派遣労働者だった人たちを連想。

そこに姉が今は住んでいる田舎の実家から、突然姉の娘が訪ねてくる。姉は、単純労働をしながら、年老いて施設に入っている母の面倒もみている。マーリーンはこの田舎の家を気持ちでは断ち切っている。

ロンドン在住の高収入の妹と、鄙びた田舎でひとり介護や子育てをしている姉は、まるで日本の「都会」と「地方」のように見えた。お金を追求してきた都市と、お金を生み出さないものばかりの地方、あるいは、有償の労働と無償の労働。お金が入ってくることはもてはやされるけれど、一方でお金にならないけれど必ず人に、社会についてまわるものが、邪魔者にされていることが見事に描かれていた。

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サスペンデッズ『片手の鳴る音』

観劇日時:2009年1月25日13:00~14:45

今日は昼食と夕食の間に2本観る「マチ・マチ」。1本目は、Theatre Tram Next Generation vol. 1、サスペンデッズ『片手の鳴る音』。ぎりぎりに予約したので最後列から。再演で、初演は観ていない。

主宰で作・演出の早船聡さんが以前新国立劇場に書き下ろした『鳥瞰図』同様、海のそばを舞台に登場人物たちの心模様をたんねんに描きこんだ作品だった。以下公演日程終了したので、ネタバレバレで。

海辺の理髪店を経営する青年、店に仕事中に時間つぶしに来る新婚の友人、青年に子どもの面倒をたびたび頼んでいる友人妹、夫が浮気したと戻ってくる青年の姉、その夫、浮気は誤解だったのだが原因となったメールを誤送信した夫の同僚(キャラが会社モードとナチュラルハイモードを行き来)。

理髪店の姉弟の母は幼い頃去り、2人は、父親に育てられた。父親が死んでからあまり時間が経っていない。父親の形見の帆船の模型を弟は子どもに気軽にあげてしまうが、姉はこれが気に入らなかった様子。理髪店の装置の後ろにこの模型をイメージした大きな帆。

姉は実は夫をうとんじていてその原因は姉自身の中にあることが徐々に明かされていく点や、弟友人が子どもが生まれてきて大喜びする一方で姉夫同僚はゲイであることを母に言えず悩みつつも自分のラブライフを楽しんでいるバランスが、趣深かった。

最後列だったせいかややセリフが聞き取りづらい部分があった。(わたしは軽~中度の難聴なので、自分のせいかと思ったのだが同じ指摘が他にもあったので書いてしまう。)そのためかあれはどうなったのかなーと未だ思えるエピソードがあるのだが、わからないままにしておく。

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野田地図『パイパー』

観劇日時 2009年1月24日19:00~21:05

シアターコクーンで野田地図『パイパー』観劇。この劇場の一階は久しぶり(笑)。立ち見スペースは埋まっていなかったので、どうしても見たい人はぜひ。もたれるところはあります(確か)。

後藤ひろひとさんの「Piper」は「笛吹き」からなんですが(『Piper』という作品も確かある)、こちらは全然違いました。ものすごい造形。

観た後の感覚は、田中優さんの講演に行ったあとの感覚に似ていたなー。

こちらに感じさせるスケールの大きさ、視覚的な美しさにずばぬけたものがあって、感心。セリフや舞台転換のリズム感もナイス。

個人的に楽しみにしていた、田中哲司さんの長い足と、北村有起哉さんのしなやかなからだの動きが、あの衣装だとよく見えなくて、残念だった。宮沢りえさんと松たか子さんは文句なくよかった。橋爪功さんがときどき野田さんにそっくりに見えた。野田さんの今回のキャラはちょっとなじめず。

アンサンブルの顔ぶれが、実は、おもしろい。橋爪さんと同じ演劇集団円の大ベテラン、野村昇史さんや、柿喰う客の七味まゆ味さんが参加。捜してみるのも一興。

以下自己責任でどうぞ。

エコ者なので、どんどん減って行っている北極の氷のスライドを見せられた感じ。感覚的にはここ1年でずっと可能性が見えてきた気がします。

ネパールブータンに、GNP(国民総生産)ではなくGHP(国民総幸福)ってのがありますね。こっちは、この舞台でシニカルに描かれている物質文明を表す数字とは違う尺度(?)を目指したもの。

なぜ「ペール・ギュント」なのか、プログラムにヒントがないか探索中。

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高山植物園『天の空一つに見える』

観劇日時 2009年1月24日14:00~15:25

アトリエ春風舎にて、高山植物園営業再開公演(?)『天(あま)の空一つに見える』観劇。

わたしが「ジョシバナ」と呼んでいるネタが多い、ジョシ度の高い公演だった。すべてのジョシと、ジョシが好きなすべての人に。(笑)

後ろのほうが見やすいかもしれません。

以下自己責任でどうぞ。

ちらしにも書いてあることだが、舞台設定はジョシ相撲部屋(?)。スパッツやジャージ、さらにひらひらスカートの上からつけたまわし姿に、_えた(汗)。

ジョシの「不浄その1」については、友人がそのすじの臓器の癌で摘出手術を受けたあと結局早世してから、健康のバロメーターとして大事にしていて、実は、ありがたいと思っています。

「不浄その2」については、わたしは経験ないのだけど話を聞くととてもおもしろいので、そのうちぜひネタにしていただきたいです。心に傷が残る人もいるようです。

力士の中では、牛若丸がとてもおもしろい。山本裕子さんですよね~~~。動きがすごく独創的(笑)。根上彩さんをまた見られて個人的にうれしい。あと、「デブ」と「ブス」はジョシ間での代表的タブーですが、この二つでそんなに遊べるか、と。(笑)

最後の、同時多発モノローグの場面は、恍惚感を覚えるに至らず。何が(どんな場面が)作りたいのかはわかったので、決まるようになればとてもおもしろくなると思いました。

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ファントマ『ジョリー・ロジャー』

観劇日時 2009年1月23日19:05~21:30(?)

ファントマ(携帯はhttp://www.fantoma.info/mobile)、初見。朝日新聞の招待にて。サンシャイン劇場にて。

お金を払っていないのでちょっと甘めになってるかもしれませんが、おもしろかったです。これはこれとして。カーテンコールも予定外分(?)入れて三回あったから、やや空き気味の客席も、満足度が高かったのではないかなと思いました。

上杉祥三さんが登場するまでは正直(中略)だったのですが、上杉さんが登場するとずっと場をひっぱってくれる感じで、予想以上に上杉さんの舞台でした。

シンプルな装置であんな場面やこんな場面を作ってくれます。こっちが想像して楽しむ箇所が多かったのは意外で(スミマセン)、好みでした。

清水宏さんが、濃いキャラで登場。はまっていておもしろかったです。ひとりゲラゲラ。前田耕陽さんは新境地(?)。坂口修一さんのいいヤツっぽさ、副官役の盛井雅司さんの腰、行沢孝さんの変キャラも楽しかったです。

保村大和さんと日向薫さんにもうちょっと出てきてほしかったかなあ。

座長の伊藤えん魔さんが、からだはってはりました。

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サンプル『伝記』

観劇日時 2009年1月21日19:30~21:10

前回の恐怖にめげず(仔細略)、サンプル新作『伝記』観劇。こまばアゴラ劇場にて。ちとメタ演劇っぽいつくり。今回も、わたしが苦手な「いい話」とは真逆で、楽しめた。松井作品に慣れてきたのか、松井作品に出ている時の俳優さんに慣れてきたのか、新鮮さは薄めだった。うずまく欲の中で、黒田大輔さんだけが、ひとり汚れない白鳥のようだった。マジで。

以下自己責任でどうぞ。

空間横遣い。アゴラ劇場のエレベータをそのまま地下シェルターへの装置として使っている。わたしはエレベータの前あたりからだったのではっきりしたことは言えないが、かみての端っこの前方からだとエレベータ周辺がどの程度見えるんだろ?

会社を興して富を築き亡くなった父の伝記を、資料室になっている地下シェルターでつくる社員三人と社長(長男)、そして役員である長女、皮膚病で全身包帯の次女、先代からの使用人、父の元愛人親子、わけわからん資産家マダムが登場、精神的・肉体的な愛憎をくりひろげる。

資料が全部焼けていて、父が経験した空襲を模したものかと思ったが、今思うと、あそこは実は火事になるという意味かもしれない。いやすでに火事で焼けたあとで、念だけがさまよっているのかも(汗)

使用人役の黒田さん以外は全員ヘン。黒田さんの役も、クセはあるけど。ともあれ各キャラクターのヘンさは個人的守備範囲内だった。ついつい見たことのない_態を求めてしまう自分はどうなのか? と自問中。

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白石加代子「百物語」シリーズ第二十六夜

観劇日時 2009年1月17日18:30~20:15(休憩20分含む)

やるほうもライフワークなら観るほうもライフワークになりつつある、白石加代子さんの、台本を持ちながらの一人芝居、第二十六夜を、グリーンホール相模大野多目的ホールにて。製作はメジャーリーグ。ちらしでは第九十話に届く予定(?)だったが、構成上第八十七話から第八十九話までになったとのこと。

前売はかなり早くに完売になっていたが当日売りは不明。

  • 第八十七話 『平家物語』「壇ノ浦の段」
  • 第八十八話 小泉八雲『耳なし芳一』
  • 第八十九話 芥川龍之介『杜子春』

まず「壇ノ浦の段」と『耳なし芳一』。後者は『平家物語』を語る琵琶法師の話なので、めちゃこわい組合せ。「壇ノ浦の段」はしぶい色味の袴姿。二つの話の間に衣装変えがあるのだが、白石さんひとりがまわる廻り舞台で、黒子さん(?)が現れ、白石さんが後ろを向いた時と前に戻った時の二段階で上のきものを変える演出が見事というかなんというか。

それにしても、平知盛に阿部ちゃんを、九条判官に滝沢クンを思い出してしまう自分はどうなのか、と思う。

休憩中に衣装を山水画の裾模様の留め袖(だったのかな)に変えて、『杜子春』。唐の時代の洛陽を舞台に、青年がエライ目に遇う話。子どもの頃読んだ時は気にもとめなかったが、杜子春が連れていかれるのは峨眉山なのね。なるほど。

いろんな物の怪が出てきて、ジブリのアニメを連想。それもどうなのか、自分。ともあれ、あんな物の怪、こんな物の怪を白石さんが声を変え顔を変えしぐさを変え演じてくれるのが楽しい。

『耳なし芳一』も、『杜子春』も、「がまんの恐怖」というか「恐怖のがまん」の話という点で共通かな、と、ひとりこじつけ。

台本の意匠もこっていてかわいかった。

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飛ぶ劇場『有限サーフライダー』

観劇日時 2009年1月9日19:05~20:45

北九州が本拠の飛ぶ劇場の新作をこまばアゴラ劇場で。テンポの良い展開でエンタメ性をキープしつつ、頭で作って遊べる部分も多い快作だった。お芝居なので目の前は三次元なのだが、見ている側の脳内は二次元世界と三次元世界でぐちゃぐちゃ(?)。物語のどの層がリアルワールドなのか考えることで、脳味噌に刺激を与えることができた気がする(笑)。

サーフィンをする人のブログを読んだり、話を聞いたりすることがよくある。サーフィンをする人の第一の関心事は、波。波は自然のものなので、サーフィンをする人には、海や自然の視点から世界を見ている人が多い。人が制御できない海、それから波を、物語に重ねた。

登場人物はみんなキャラがしっかり立っており、それぞれに物語があり、味わいぶかかった。

以下自己責任でどうぞ。

社長以下、社員旅行でサーフィンを体験に海の家に来た30代の5人(含むジョシひとり)。社業はゲーム製作。ヲタの集団が究極の自然体験ともいえるサーフィンに挑戦しようとしているのがおもしろい。海の家に住む家族は「別次元の人」で、5人に災難がふりかかる。それはまるで5人がゲームの中に入ってしまったようでもあり、それぞれがかかえる問題の縮図のようでもあり、また、民俗学に拾われる物語のようでもあった。

紅一点のジョシ(大畑佳子さん)の水着姿がかわいい。

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2008年下半期の観劇生活をみんなもやっているので振り返る。

  • 作品と演出家の選択が冒険心に富んでいる、新国立劇場の取り組み。(現在進行形)
  • 「浅野和之アナザーバージョン」(9/19 劇団ワンダフルズ『世界の博覧会』、12/20 カンパニーデラシネラ『ある女の家』)
  • ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの活躍(10/5 『シャープさんフラットさん』ホワイトチーム、10/10『シャープさんフラットさん』ブラックチーム、12/14『あれから』)
  • 燐光群の成果(7/10『ローゼ・ベルント』、8/31『サザン・アイランズ』、12/5『戦争と市民』)
  • 7月25日 新感線☆RX『五右衛門ロック』
  • 8月2日 タニマチ金魚『更年期SHOW GIRL』
  • 8月21日 こまつ座『闇に咲く花』
  • 8月22日 イデビアン・クルー『排気口』
  • 9月14日 演劇ユニット昼ノ月『顔を見ないと忘れる』
  • 11月1日 横浜未来演劇人シアターダンス公演『市電うどん』
  • 11月17日 劇団青年座『赤シャツ』

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tpt『ウルリーケ メアリー スチュアート』

観劇日時 2009年1月5日19:00~20:45

今年の1本目は、たぶん最後のベニサン・ピット。tpt 70『ウルリーケ メアリー スチュアート』は、tptが本拠としてきたベニサンピットでの最後を飾るのにふさわしい出来栄えだった。台本・演出は川村毅さん。今日の乞食の役は手塚とおるさん。

原題 Ulrike Maria Stuart、「メアリー」の部分がドイツ語綴り。原題を見て「一人の人物の名前がお芝居のタイトルになってるんだなあ、ウルリーケ、イコール、メアリー・スチュアートなんだなあ」とわかった(汗)。作者のエルフリーデ・イェリネクは、挑戦したい作家で本を一冊持っているのだが、注が文中に多すぎて(「これは原文でこう言い、あれにかけている」という具合の)読了できないまま。このお芝居で一作ものにできた。感謝。

この作品のもとになっているシラーの『メアリー・スチュアート』は観ていないが、ダーチャ・マライーニの『メアリー・ステュアート』は観ている。マライー二も、イェリネク同様、ジェンダーに敏感な作家。

挑発的な台本で、自分の生きている世界を問い直させてくれた。プログラムに川村さんが書いているとおり、昨年末、「資本主義システムのほころびの光景が誰の目にも明らか」になった。大勢の人(派遣社員と呼ばれる人々)が路上に投げ出された。年末年始、「派遣村」に人々が押し寄せた。しかしキャノンやトヨタは相変わらず巨額の内部留保金を持っている。製造業への派遣を可能にしたのは法律の改悪。こんな解雇がまかりとおるのはなんだかおかしいのではないか(みんなもっと怒っていいのではないか)、と思っていたら、年末にはイスラエル政府がガザ地区攻撃。ごく最近知ったことだがマクドナルドやコカコーラ、スタバといった大企業がイスラエル政府を支援している。ということは、知らない間にイスラエルの軍事費の拠出を手伝っていたことになる。マクドナルドやコカコーラはテレビの大広告主でもあり、この二社がイスラエル政府を支援しているとなれば、同政府がガザ地区で本当は何をしているのかについて、テレビがどこまで報道できるのか、限界があるのではないかと思う。これは、従来ある言葉では表現できない、社会システムの欠陥のあらわれではないだろうか。終演後、こんなことをつらつらと考えた。

以下自己責任でどうぞ。

Tシャツ姿の、(コルセットから解放された、)肉感的なドイツ赤軍派のウルリーケ(メアリー・スチュアート)と、ウルリーケを追いつめるグードルン(ウエストをコルセットで締め、髪をひっつめ、異常に厚い底を持つ靴をはくエリザベスI世)。演じている女優(順に濱崎茜さんと大沼百合子さん)がすばらしかった。後半のグードルンの独白はすごい。

最初からハイテンションで疾走。ちょっと間違うと「芝居の靴が脱げてしまいそうな」あやうさを最初のほうで感じたが、グードルン女王様が出てきてからは腰の据わった舞台になった。

川村さんのアイデアで、浅間山山荘事件がお芝居の中に取りいれられていた。この事件の場面の間、やたら親しみやすく感じた。この場面で発せられるセクト用語(?)は日本語として意味が確立していて、ウルリーケやグードルンが同じ言葉を発する時の輪郭のあやふやさとは違っていた。このエピソードが加えられて、芝居が狭くなった気もするが、芝居が追って行きやすいものになっていた気もする。

子どもの頃テレビで見た場面の歴史的な意味を体感した。

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