演劇

Bunkamura主催・企画・製作『東京月光魔曲』

観劇日時 2009年12月17日19:00~22:30(15分の休憩込み)
情報 http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_09_makyoku.html

「昭和初期三部作」の第一弾らしい。ケラリーノ・サンドロヴィッチ作演出。チケット取りに完全に出遅れ、おけぴで譲ってもらった席にて観劇。チケ貧なのでコクーンシート。しもて側。いきなり冒頭が全然見えず、へこんだが、S席との差額が4,500円ならそっちで見てもよかったかもと思えた快作(怪作?)。

一階ロビーに配役表がおいてくれてある。ちらしの束の中にはさんでないのは、なぜ?

東京へのオマージュのような作品。誰が誰と全部わかったとは(話の展開を全部追って行けたとは)正直思えないが、物語もさることながら、都市の持つ魔力(?)、なのかな、近代化された場所に生きていても人のからだになお残る、二本足で立つ前から受け継がれているものの存在感を、このお芝居からずっしりと受けとめた。

そういう発想はケラさんが提供したものだろうと思うのだが、スタッフワークもみどころ。劇場の技術力が生かされていると思った。

岩井さん捜しも楽しんだ。

|

グリング『jam』

観劇日時 2009年12月16日19:30~21:15(公式)
公演情報→http://www.gring.info/

グリング『jam』は、東京芸術劇場新芸術監督就任お祝いシリーズ(?)にして、劇団活動休止公演。杉山文雄さんが、体調不良のため不参加。代わりに遠藤隆太さんが参加されているのだが、杉山さんがもともとあの役を演じる予定だったとは思えず、見ながら、配役をスライドさせたんじゃないかなあと思った。劇団ウェブサイトで初演時の配役を見て納得する。

客演(?)に松本紀保さん、ナイロン100℃の廣川三憲さん、M.O.P.の永滝元太郎さん、元サモ・アリナンズの小松和重さんほかが参加しているおもしろい座組み。軸の物語がなかなか展開してこないが、まわりの人々が生き生きしていて、その会話を楽しんだ。

また、別荘地の生活がよく出ていたと思う。別荘地で生活している人々をたくさん知っているわけではないが、地域ではコンサートやイベントがしょっちゅうあって、車でがんがん出かける印象がある。

主人公の物語には感情移入できず、もうあとひとひねりほしかった。あるいは、これを書いた青木豪さんの女性観と自分の間に広い川が流れている、という感じ(笑)。

|

モナカ興業『さみしい兄妹』

観劇日時 2009年12月11日20:00~21:20(だったと思う)
劇団ウェブサイト http://www.k4.dion.ne.jp/~monaka

公演は終了。次回は『喜望峰に二日で行った男の話』2009年6月こまばアゴラ劇場

フジノサツコさんの作品を、演劇集団円の森新太郎さんが演出を担当しているユニット(という説明で、いいのかなあ?)。森新太郎さんの演出を目当てに観劇。下北沢OFF・OFFシアター。

(言い訳)
連日呑みが続いていた上に、この日慣れない朝からの外出、行った先も慣れない場所で(国会議員秘書へ陳情)、おまけに永田町まで田園都市線で寝ていけるはずが事故で止まっていて、小田急でぎゅうぎゅう詰め。午後は某NGOの部屋で時間をつぶさせてもらってたら、下北沢に出発する直前にボラ仕事を頼まれ、ぎりぎりに。要は、OFF・OFFシアターに向かった時は、撃沈不可避であった。

席は、予想どおり、最前列のはしっこというか、横で芝居やってる感じの席。それでもおもしろかったけど、正面から見たほうが、空間づかいのおもしろさが味わえたんじゃないかと少し残念。俳優さん見ずに声だけ聞いてる時間帯も多かったし。

終了しているのでおはなしまぜながら。両親が突然そろってなくなった兄と妹の話。保険の相続人が兄となっていたため(兄が車椅子である点を親が考慮したのか?)、兄は保険金で悠々ひきこもり(?)。妹は二度目の出戻り生活で、今回は猫を連れて帰ってきている。マンションは兄のもので妹居候。兄は猫を嫌い、出ていってもらうために軍資金として20万わたしたり、猫を殺っちゃったり。

この兄のイタさというか自我の肥大を、四人の男優に一緒に演じさせることで見せる。大声で一緒にセリフを言う場面が多かった(幼稚園で、平等のためなのか園児があまるためなのか、ひとつの役を何人もにやらせることってありますよね)。セリフはちゃんと聞こえたので、ものすごく練習したんだろうなあ、と。

いつもかみてに登場する「隣の人」や、一番奥に来たり正面に来たりする、最後のオチにつながるスーパーマーケットの噂しまくりバイト女子二人は、自分の見た位置の都合もあってかあまり効いてなかったようにも。最後に出てきた、マンションの前の海で入水自殺を試みるところを兄が警察に電話して助け、その後兄が同類を哀れむように恋をしている(妄想にとりつかれている)女子=スーパーの噂しまくり女子二人のうちのひとり(文句が多いほう)だったハズなんだけど、女子二人の会話をよく聞いていなかった(見ていなかった)せいか、最後のオチにのれなかった。

ともあれ男優4人による兄はおもしろかった。この劇団ひきつづき見るつもり。

|

文学座アトリエの会『崩れたバランス』

観劇日時 2009年12月4日(19:00~21:00 公式。実際は5分押しで開演)

文学座アトリエ公演『崩れたバランス』。ドイツの劇作家・ファルク・リヒター作、演出は中野志朗さん。原題のDie Verstörungは「災難」とか「苦悩」とかいう意味らしい。ドイツ現代演劇らしく(?)、アングロサクソン系と違う(?)「これでもか~」と来る光のなさが、わたし好み。観られてよかった。クリスマスに向けてよい心の準備ができた(謎)。

おりこみチラシに「(株)カラーキネティクス」というところから照明器具を提供してもらったとあり、開演前に天井を見上げた。めずらしい照明器具があり、一目でわかった。切り替わりが早く、なるほどな、と。照明にとどまらず、いろんな意味で演出がこりにこっていて(客席もいつもと違った作りだし、場はワープするし、俳優さんやあんなところやこんなところに行くし、床にああいうものを映すし、俳優さんの頭にライン入っているし)、「文学座、がんばってる~~~~」という印象を持った。いろんな人々がめちゃくちゃに登場しておもしろかった。ベッドの夫婦と家族ドラマ(?)が全体の中であまり生きていない感じもしたが。ともあれ「混沌」が十分楽しめた。(ちゃんとした筋書きのあるお芝居が好きな人には、ややキツイかも。)

若い俳優さんたち、そろって容姿がよくてかつ言葉がはっきりしていて、個々には強みでありえるところがみんなそろってそうなので、こういうお芝居だけに実際にもとづいた人の多様性があればなあ、とも。みなさんお上手なのだけれど。

|

PARCO製作『海をゆく者』

観劇日時 2009年11月30日19:00~21:45(休憩15分込み。表示より短くなっていました)

『海をゆく者』、先週金曜の切符を買ってあったのだが、仕事で行けず(空席作りました)、リベンジ。愛だわ。

ちらしにもあるように「百戦錬磨の男優5人」によるお芝居。「横綱が5人いて、優勝決定戦になるが5人もいるのでなかなか決まらず3時間続いた」、という印象。

わたしは浅野和之さんのファンなのでこまかい浅野さんの動きに十分満足。小日向文世さんの破壊力抜群。シェイクスピア俳優という印象のある吉田鋼太郎さんも現代的な役柄でバクハツ。平田満さんはこの間もアイルランド人を演じていたような(『シュート・ザ・クロウ』@新国立)。アイルランドから勲章もらってくれ。で、大谷亮介さんが、なんか、一番涼風を感じさせる役柄なんですよね~~~~ そこがおもしろかったです。

個人的にはもっと救いようのない話のほうが好きだけど、ま、季節の設定が設定なので。

なぜこういうタイトルなんだろうと思って調べたら(プログラムは買わなかった)古い英語の詩にThe Seafarerというのがあるのですね。pdfですがコチラに訳発見。

|

新国立劇場『ヘンリー六世』第三部

観劇日時 2009年11月19日18:35~21:50(始まりは押したが最後は予定どおりに終った。15分の休憩こみ)
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000216_play.html

私的「週刊ヘンリー」の最後。こんなに多くの場面で今井朋彦さまが舞台の中心にいるのなら第三部だけは一階にしたらよかったなと思った。今井朋彦さまの美声に酔った。

第一部から同じ役で登場する数少ない俳優さんのひとり、上杉祥三ウォリックが、第三部に来て「いやなヤツ」の本領発揮。元遊眠社の上杉さんが文学座の今井さまとやりあっている座組みに(嬉)。流れにさからえずゆらゆら揺れる浦井ヘンリーもナイス。ソニン演じるエドワード王子がジャンヌ・ダルクとかぶるところに配役の妙を感じた。

第一部、第二部と比べて、最後のせいか、後半に入っても演出ギャグ控えめ(あるけどね--装置の低木持ちながら話したり、照明がミラーボールみたいだったり)。今までの過程で馘首された人の首がところどころに置かれていて、照明でときどきそれが浮かび上がり、ゾクッと。

第一部から第三部まで通しで観たら、もう、劇場に入るまでに自分がかかえていたことは、とりあえずどうでもよくなる(リセットされちゃう)だろうなあと思える、一大叙事詩。今年の各演劇賞はもうこれで決まりだって気が。やるだけでエライ大プロジェクトも終盤、みなさまおつかれさまです。

|

フェスティバル/トーキョー『あの人の世界』(松井周作演出)

観劇日時 2009年11月14日 19:33~21:17

フェスティバル/トーキョーの演目、『あの人の世界』を東京芸術劇場小ホールにて観劇。作演出は「サンプル」の松井周さん。新作。

松井さんの作品を初めて三鷹で見た時も思ったが、中央に大きく装置を置くことで、だだっぴろく見えがちなこの劇場をうまく使っていた。その装置のまわりを人が移動するので、人物の動きが大きくなり、空間を支配していた。

昨夜、「非暴力コミュニケーション」(NVC)のワークショップに出た。NVCと松井周作品に続けて触れるのは、食い合わせの悪さ抜群(笑)。支配と従属、近親相姦、動物虐待、相互依存など、世間が眉をひそめる世界をきりとり、コラージュのようにきりはりした作品だった。緊張感が最後まで持続し、たいへんおもしろく見た。

|

新国立劇場『ヘンリー六世』第二部

観劇日時 2009年11月12日 18:35~21:50(休憩15分こみ、5分押し)

(独)日本芸術文化振興会からの業務委託分が仕訳の対象になっているらしい新国立劇場にて、「週刊ヘンリー」の二回目、じゃない、『ヘンリー六世』第二話「敗北と混乱」観劇。ホワイエのバルコニーにに大きな薔薇ステッカーがあるのに気づいた。席は二階B席の、第一部と全く同じ席(ちなみに、なぜか第三部も同じ)。俳優さんは小さめだけど(顔の造作は見えます)、奥のほうまで人の配置や小道具の大きな動き、照明がよく見えて、お得感。

第二部から、今井朋彦さまがエドワードとして登場するということで、ひたすら待った観劇だった(笑)。全く偏った感想だがあのヨーク公からあんな細面の王子ができるはずがないだろ(笑)。

第一部でも思ったことだが、休憩前の前半はじっくりドラマを見せる演出、後半はエンタメ性に富んだ演出。中嶋しゅうさんのグロスターがいぶし銀の味わい。第二部の見どころ(らしい)立川三貴さんのジャック・ケードもユーモアたっぷり。とにかく第二部は照明が昔のクラブみたいだったり兵士がゆっくり後ろに移動して「ヨーイ、ドン!」で殺陣に入ったりいちいちオカシイ。ある場で使う木を、その前の場面から一本ずつ持ってきて立てて、そこが終ったら抜いて持っていくのを見せる演出もオカシかった。

岡本建一リチャードがナイス。いつかリチャードやってね。

|

プリエールプロデュース『七本の色鉛筆』

観劇日時 2009年11月6日19:03~ (上演時間2時間10分)

小林隆さん出演ということで、興味のあった矢代静一作『七本の色鉛筆』。招待に当選し、よろこんで観劇。赤坂レッドシアターにて。

で、好きほうだい書くが……

七人姉妹のものの言い方が、似ているというか……。それぞれの個性を、もう少し掘り下げて、際立たせてほしかった印象。36年前に書かれた作品ということで、70年代が舞台なのかしら。衣装や装置はそれより少し古い感じなのだけれど、七人姉妹については現代劇を見ているようだった。

あと、信仰に対するほりさげも、どうだろう、と思った。

小林隆さんには満足。

|

新国立劇場『ヘンリー六世』第一部

観劇日時 2009年11月5日18:30(公式)~21:35(休憩15分込み)

新国立劇場が『ヘンリー六世』三部作の上演を発表したとき、「やるなあ~」と思った作品。今井朋彦さまの出演が決定打となって全部見ることにしたが、チケ貧のため全部B席。一度に見る体力はたぶんないと判断して毎週木曜夜に1本ずつ見ることにした。(平日夜に順番に見ようと思ったら、各部の初日の連続観劇を逃したらそうするしかなかった。)

新国立劇場中劇場の2階席(のはしっこ)は初めて。よく見えますねぇ。今後は毎回ここでいいや(笑)

『ヘンリー六世』を見るのはふつうに初めて。『シアターガイド』誌の先月号に予習特集(?)が載っていて(劇場で売ってます)それを持って往きの車内で予習していったが、たくさん人が出てくるものの

紅組
白組
青組(?)
どれでもない人

と衣装ではっきりわかるので、見ていて、シェイクスピアの作品としては特に難解とも思わず。ただ同誌の小田島雄志さんの見どころ解説に感謝。最初からそのヒトに気をつけて見ることができた(それなりにヒーローっぽく登場するので、読んでなくても印象に強く残っていっただろうけど)。

難しいと思わなかったのは、わたしが主な役の俳優さんの顔を覚えていたり、衣装がどういう役職をあらわしているかに慣れていたりするせいもあるだろうけど。今井朋彦さんは第一部はいろんな役で登場、今井さん捜しを楽しんだ。

舞台の奥行きを十分使った演出。上から見た俳優さんの配置、照明、床にできる影が美しい。スケールの大きさが十分伝わってくるお芝居で、ひきこまれた(休憩前の部はちと集中力がとぎれば部分があったが、休憩後は見せ場の連続であっという間だった)。物語世界に入って、日常生活であたっている問題を一度忘れ、終演後は新鮮な気持ちでまた問題に立ち向かうパワーがわいた。

第二部、第三部が楽しみ。

|

より以前の記事一覧